金が「安全資産」と呼ばれる理由

金は数千年にわたって価値の保存手段として使われてきた実物資産です。株式や債券と異なり、企業の倒産や国家のデフォルトによって価値がゼロになるリスクがありません。また、金は世界共通の価値を持ち、どの国の通貨が暴落しても金の実質的な価値は保たれます。

金の最大の特徴は、株式市場が暴落する局面で価格が上昇する傾向があることです。2008 年のリーマンショックでは株式が約 50% 下落する中、金は約 5% 上昇しました。2020 年のコロナショック初期にも、株式の急落と同時に金価格は上昇しています。この「逆相関」の性質が、ポートフォリオのリスク軽減に役立ちます。

金の長期リターンと株式との比較

金の長期リターンは株式に劣ります。過去 50 年間の年平均リターンは、金が約 7〜8% (円建て)、S&P 500 が約 10〜11% (ドル建て) です。ただし、金のリターンには為替の影響が大きく、円安局面では円建てリターンが押し上げられます。2020〜2024 年の急激な円安局面では、金の円建て価格は 2 倍以上に上昇しました。

金は配当や利息を生まないため、保有しているだけでは収入が得られません。株式は配当、債券は利息という定期的なキャッシュフローがありますが、金にはそれがありません。金の価値は純粋に価格の上昇 (キャピタルゲイン) のみに依存します。この点が、金をポートフォリオの主力にすべきでない理由です。

金投資の方法

個人投資家が金に投資する方法は複数あります。金 ETF (たとえば SPDR ゴールド・シェアーズ) は証券口座で株式と同じように売買でき、最も手軽です。純金積立は毎月一定額で金を購入するサービスで、ドルコスト平均法の効果が得られます。現物の金地金やコインは実物を手元に置ける安心感がありますが、保管コストや売買スプレッドが大きいデメリットがあります。

コスト効率を重視するなら金 ETF、少額から始めたいなら純金積立がおすすめです。NISA 口座で金 ETF を購入すれば、売却益が非課税になるメリットもあります。金投資の入門書も参考になります。

ポートフォリオにおける金の適切な配分

金はそれ自体が利息や配当を生まないため、ポートフォリオの大部分を金に配分するのは合理的ではありません。一般的には資産全体の 5〜10% 程度を金に配分するのが適切とされています。この程度の配分でも、株式暴落時のクッション効果は十分に発揮されます。

たとえば 1,000 万円のポートフォリオで金を 10% (100 万円) 保有している場合、株式が 30% 下落しても金が 10% 上昇すれば、ポートフォリオ全体の下落は約 26% に緩和されます。残りの 90〜95% は株式と債券で構成し、長期的な資産成長を狙いましょう。ポートフォリオ分散の実践書も参考になります。

ネクストアクション - 金をポートフォリオに加える

現在のポートフォリオが株式 100% の場合、資産の 5〜10% を金 ETF に振り替えることを検討しましょう。NISA 口座で金 ETF を購入すれば、売却益が非課税になります。年 1 回のリバランスで金の比率を維持すれば、暴落時のクッション効果を継続的に得られます。

当サイトのシミュレーターで、金を含むポートフォリオ (想定利率 4〜6%) と株式のみのポートフォリオ (想定利率 5〜7%) の積立結果を比較してみてください。リターンは若干下がりますが、リスク調整後のリターンは改善する可能性があります。