貯蓄型保険の実質利回りは低い

学資保険や低解約返戻金型終身保険などの貯蓄型保険は、「保障と貯蓄を兼ねられる」として人気がありますが、資産形成の手段としては効率が悪いです。たとえば返戻率 105% の学資保険に 18 年間加入した場合、年利に換算するとわずか 0.27% 程度です。同じ金額を年利 5% のインデックスファンドで運用すれば、18 年後には約 1.4 倍になります。

貯蓄型保険の利回りが低い理由は、保険料の一部が死亡保障や保険会社の運営費に充てられるためです。純粋な運用に回る金額は支払保険料の 70〜80% 程度とされ、残りは保障コストと手数料に消えます。保障と貯蓄を分離し、保障は掛け捨ての定期保険で安く確保し、浮いた分を投資に回すほうが合理的です。

数値で比較 - 保険 vs 投資の 18 年後

月 15,000 円を 18 年間支払う場合で比較してみましょう。学資保険 (返戻率 105%) なら、支払総額 324 万円に対して受取額は約 340 万円、差額はわずか 16 万円です。同じ月 15,000 円を年利 5% のインデックスファンドで積み立てた場合、18 年後の資産額は約 524 万円、運用益は約 200 万円です。

さらに、掛け捨ての定期保険 (死亡保障 1,000 万円) の保険料は月 1,000〜2,000 円程度です。月 15,000 円のうち 2,000 円を掛け捨て保険に、残り 13,000 円を投資に回せば、死亡保障を確保しつつ 18 年後の資産は約 454 万円になります。学資保険の 340 万円を大きく上回ります。

保険が投資より有利なケース

貯蓄型保険にもメリットはあります。生命保険料控除による節税効果 (年間最大 4 万円の所得控除)、強制的な貯蓄効果 (途中解約すると元本割れするため続けやすい)、万が一の保障が付く安心感です。投資に対する心理的ハードルが高く、自分で積立投資を続ける自信がない人にとっては、貯蓄型保険が「次善の策」になりえます。

ただし、NISA や iDeCo の税制優遇は保険料控除をはるかに上回ります。投資の基本を学び、インデックスファンドの自動積立を設定すれば、保険と同等以上の「強制貯蓄」効果を得ながら、はるかに高いリターンを期待できます。保険と投資の比較書も参考になります。

保険の見直しで投資原資を捻出する

すでに貯蓄型保険に加入している場合、解約して投資に切り替えるべきかは慎重に判断する必要があります。加入から間もない場合は解約返戻金が元本を大きく下回るため、損失が確定します。一方、返戻率が 100% に近づいている場合は、解約して投資に回すメリットが大きいです。

判断の目安として、解約返戻金と今後の保険料支払総額を比較しましょう。たとえば、あと 10 年で満期を迎える学資保険の返戻率が 103% なら、残り 10 年分の保険料を年利 5% で運用した場合のリターンと比較します。多くの場合、投資に切り替えたほうが有利です。投資の入門書も参考になります。

ネクストアクション - 保険と投資の最適な組み合わせ

新規加入を検討している場合は、掛け捨て保険 + NISA の組み合わせを第一選択にしましょう。必要な保障額は「遺族の生活費 × 必要年数 - 遺族年金 - 現在の資産」で算出できます。保障額が決まれば、最も安い掛け捨て保険を選び、残りの予算を NISA での積立投資に回します。

当サイトのシミュレーターで、保険料の差額を投資に回した場合の将来の資産額を確認してみてください。数字を見れば、「保障は保険、資産形成は投資」という分離の合理性が実感できるはずです。