育休中の収入構造を正確に把握する

育児休業中の資産形成を計画するには、まず収入構造の変化を正確に理解する必要があります。育児休業給付金は、休業開始から 180 日間は休業前賃金の 67%、181 日目以降は 50% が支給されます。さらに、育休中は社会保険料 (健康保険・厚生年金) が免除されるため、手取りベースでは休業前の 80% 程度を確保できるケースもあります。この「思ったほど減らない」という事実を正しく認識することが、投資継続の心理的ハードルを下げる第一歩です。

ただし、育児休業給付金には上限額があり、高収入の方は給付率が実質的に低下します。また、給付金は非課税のため所得税・住民税がかかりませんが、翌年の住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、育休 1 年目は住民税の負担が重く感じられる場合があります。これらの細かい収支の変化を事前にシミュレーションし、投資に回せる金額を現実的に見積もることが重要です。

育休中でも投資を継続する 3 つの方法

育休中に投資を完全に中断するのではなく、規模を調整しながら継続する方法は 3 つあります。第一は、積立額の一時的な減額です。月 5 万円の積立を月 1 万円に減額するだけでも、投資の習慣と複利の効果を途切れさせずに済みます。新 NISA のつみたて投資枠は月 100 円から設定可能な証券会社もあり、金額の柔軟性は高いです。第二は、ボーナスや児童手当の活用です。育休中もボーナスが支給される企業であれば、その一部を投資に充てます。児童手当 (月 1-1.5 万円) を全額投資に回すと、18 年間で約 400-500 万円の資産形成が可能です。

第三は、育休前に構築した投資の自動化を維持することです。育休中の投資継続に関する書籍で推奨されているように、自動積立の設定を育休前に済ませておけば、育児に忙殺される中でも投資が自動的に継続されます。育休中は証券口座を頻繁にチェックする余裕がないことが多いですが、それはむしろ長期投資にとってプラスに働きます。短期的な市場変動に一喜一憂せず、淡々と積み立てを続けることが最善の戦略です。

復職後の資産形成加速プラン

育休からの復職は、資産形成を加速させる絶好の機会です。復職後は育休中に抑えていた積立額を元の水準に戻すだけでなく、可能であれば増額を検討します。育休中に家計を見直した結果、不要な支出を削減できていれば、その分を投資に上乗せできます。また、復職後に時短勤務を選択する場合は、収入減少分を考慮した現実的な積立額を設定し、フルタイム復帰後に段階的に増額する計画を立てます。

共働き世帯の場合、パートナーとの役割分担を見直すことも資産形成に影響します。復職後の資産形成に関する書籍で分析されているように、家事・育児の分担を最適化してキャリアの中断を最小限に抑えることが、世帯の生涯収入を最大化し、結果として資産形成を加速させます。育休は一時的な収入減少ですが、長期的な資産形成の視点では、投資を継続し復職後に加速させることで、十分に取り戻せる期間です。

育休中の資産形成を成功させるためのネクストアクション

育休に入る前に、まず育児休業給付金の手取り額を正確にシミュレーションします。休業前の月収から社会保険料免除分を差し引いた実質手取りを計算し、育休中に投資に回せる金額を具体的に把握しましょう。月 5 万円の積立が難しければ月 1 万円でも構いません。新 NISA のつみたて投資枠で自動積立を設定し、育休中も途切れなく投資が継続される仕組みを整えます。児童手当 (月 1-1.5 万円) を全額投資に回す設定も、育休前に済ませておくと安心です。

復職後は「育休中の積立減額分を取り戻す」意識で、積立額を元の水準以上に引き上げることを目標にします。複利計算ツールで、育休中に月 1 万円に減額した場合と完全に中断した場合の 20 年後の資産差を計算してみてください。月 1 万円でも継続した場合、中断した場合と比べて数百万円の差が生じることが分かります。育休は資産形成の「中断」ではなく「減速」と捉え、復職後の加速で十分にカバーできるという長期的な視点を持つことが、育休中の投資継続のモチベーションを支えます。