繰上返済の効果を数値で理解する

住宅ローンの繰上返済は、将来支払うはずだった利息を削減する効果があります。たとえば借入額 3,000 万円、金利 1.5%、35 年返済のローンで、5 年目に 200 万円を期間短縮型で繰上返済すると、総利息の削減額は約 80 万円、返済期間は約 2 年短縮されます。繰上返済の利息削減効果は、ローン金利と同じリターンを無リスクで得ているのと同等です。

詳しくは 繰上返済と投資の比較書 も参考になります。

一方、同じ 200 万円を年利 5% で 30 年間運用した場合、複利で約 865 万円になります。元金 200 万円に対して約 665 万円の運用益です。数字だけ見れば投資のほうが圧倒的に有利に見えますが、投資には元本割れのリスクがあり、年利 5% が保証されているわけではありません。

判断の分かれ目は金利差とリスク許容度

基本的な判断基準は「ローン金利 vs 期待運用利回り」です。住宅ローン金利が 0.5% で、投資の期待リターンが 5% なら、差し引き 4.5% 分だけ投資が有利です。しかしローン金利が 3% を超えるような場合は、繰上返済の確実な利息削減効果のほうが合理的な選択になります。

住宅ローン控除 (住宅借入金等特別控除) を受けている期間中は、繰上返済を急ぐ必要はありません。ローン残高の 0.7% が所得税から控除されるため、実質的な金利負担はさらに低くなります。控除期間が終了してから繰上返済を検討するのが合理的です。

バランスの取れたアプローチ

繰上返済か投資かの二者択一ではなく、余裕資金を分割して両方に充てるのも現実的な選択です。たとえば余裕資金の半分を繰上返済に、残り半分を NISA での積立投資に回すことで、確実な利息削減と資産成長の両方を狙えます。精神的な安心感も含めて、自分にとって心地よいバランスを見つけることが大切です。

住宅ローンと資産運用の書 も参考にしてください。