日本の年金制度の基本構造

日本の公的年金は 2 階建て構造です。1 階部分の国民年金 (基礎年金) は 20 歳以上 60 歳未満のすべての国民が加入し、2 階部分の厚生年金は会社員や公務員が加入します。国民年金の保険料は定額 (2024 年度は月 16,980 円)、厚生年金の保険料は給与に比例して決まり、会社と折半で負担します。

40 年間満額納付した場合の国民年金の受給額は、2024 年度で年間約 81.6 万円 (月約 6.8 万円) です。厚生年金は加入期間と平均報酬額によって異なりますが、平均的な会社員 (平均年収 500 万円、38 年加入) の場合、国民年金と合わせて月約 15 万円程度が目安です。

年収別の年金受給額シミュレーション

厚生年金の受給額は報酬比例部分が大きいため、現役時代の年収によって大きく変わります。平均年収 300 万円で 38 年加入の場合、月約 11.5 万円。平均年収 500 万円なら月約 15 万円。平均年収 700 万円なら月約 18 万円。平均年収 1,000 万円でも月約 21 万円程度です。年収が 2 倍になっても年金は 2 倍にはなりません。

自営業者やフリーランスは国民年金のみの加入となるため、受給額は月約 6.8 万円 (満額) にとどまります。この差を埋めるには、iDeCo (個人型確定拠出年金) や国民年金基金への加入が有効です。iDeCo なら月 68,000 円まで掛金を拠出でき、全額が所得控除の対象になります。

年金だけでは足りない「老後 2,000 万円問題」

2019 年に話題になった「老後 2,000 万円問題」は、高齢夫婦無職世帯の平均的な収支で毎月約 5.5 万円の赤字が生じ、30 年間で約 2,000 万円が不足するという試算でした。この数字は平均値であり、個人の生活水準や健康状態によって大きく変わりますが、年金だけで老後の生活費をすべて賄うのは難しいという現実を示しています。

不足額を補うには、現役時代からの資産形成が不可欠です。月 3 万円を年利 5% で 30 年間積み立てれば約 2,497 万円になり、2,000 万円の不足を十分にカバーできます。iDeCo や NISA を活用すれば、税制優遇を受けながら効率的に老後資金を準備できます。年金制度の解説書も参考になります。

年金受給額を増やす方法

年金の受給開始を 65 歳から繰り下げると、1 ヶ月あたり 0.7% 受給額が増えます。70 歳まで繰り下げれば 42% 増、75 歳まで繰り下げれば 84% 増です。月 15 万円の年金を 70 歳まで繰り下げると月約 21.3 万円に増え、生活費の大部分を年金でカバーできるようになります。

繰り下げ期間中の生活費を資産から取り崩す必要がありますが、長生きリスクへの有効な対策です。損益分岐点は繰り下げ開始から約 12 年後で、70 歳まで繰り下げた場合は 82 歳以上生きれば繰り下げが有利になります。日本人の平均寿命 (男性 81 歳、女性 87 歳) を考えると、特に女性は繰り下げのメリットが大きいです。老後資金の計画書も参考になります。

ネクストアクション - 自分の年金額を確認する

「ねんきんネット」(日本年金機構のオンラインサービス) に登録すれば、自分の年金加入記録と将来の受給見込み額を確認できます。まずは現状を把握し、年金だけでは不足する金額を算出しましょう。不足額がわかれば、毎月いくら積み立てるべきかが明確になります。

当サイトのシミュレーターで、不足額を補うための積立計画を立ててみてください。年金と資産運用を組み合わせることで、安心できる老後の資金計画が見えてきます。