投資にかかる税金の基本

日本では、投資で得た利益に対して 20.315% (所得税 15.315% + 住民税 5%) の税金がかかります。100 万円の利益が出ても、手元に残るのは約 79 万 7,000 円です。この税負担は長期投資において複利効果を大きく削ぐ要因となります。

詳しくは 新 NISA の投資入門書 も参考になります。

たとえば年利 5% で 100 万円を 30 年間運用した場合、非課税なら約 432 万円になりますが、毎年の運用益に 20.315% が課税されると約 340 万円にとどまります。税金の有無だけで約 92 万円の差が生じるのです。

NISA 制度の概要と活用法

2024 年に刷新された新 NISA は、投資の運用益が非課税になる制度です。つみたて投資枠 (年間 120 万円) と成長投資枠 (年間 240 万円) の 2 つの枠があり、合計で年間 360 万円まで投資できます。非課税保有限度額は生涯 1,800 万円で、非課税期間は無期限です。

  • つみたて投資枠: 金融庁が厳選した低コストの投資信託が対象。毎月の積立投資に最適で、初心者はまずここから始めるのが王道です。
  • 成長投資枠: 個別株式や幅広い投資信託が対象。まとまった資金の一括投資や、つみたて投資枠では買えない商品への投資に活用できます。
  • 売却すると翌年に非課税枠が復活するため、ライフイベントに応じた柔軟な資金活用が可能です。

iDeCo の仕組みと 3 つの節税効果

iDeCo (個人型確定拠出年金) は、老後資金の準備に特化した税制優遇制度です。掛金の拠出から運用、受取りまでの 3 段階で節税効果があります。

  • 拠出時の所得控除: 掛金の全額が所得控除の対象です。年収 500 万円の会社員が月 2.3 万円 (年 27.6 万円) を拠出すると、所得税・住民税合わせて年間約 5.5 万円の節税になります。30 年間で約 165 万円の節税効果です。
  • 運用時の非課税: NISA と同様に、運用益に対する 20.315% の税金がかかりません。
  • 受取時の税制優遇: 一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金で受け取る場合は公的年金等控除が適用されます。勤続 30 年相当なら 1,500 万円まで非課税で受け取れます。

NISA と iDeCo の使い分けと損益通算

NISA は資金の流動性が高く、いつでも売却・引き出しが可能です。一方、iDeCo は原則 60 歳まで引き出せませんが、所得控除による即時の節税効果があります。優先順位としては、まず iDeCo で所得控除の恩恵を受け、余裕資金を NISA に回すのが効率的です。

なお、NISA 口座内の損失は損益通算の対象外です。課税口座であれば、ある銘柄の損失を別の銘柄の利益と相殺して税負担を軽減できます (損益通算)。さらに、損失が利益を上回った場合は、翌年以降 3 年間にわたって繰越控除が可能です。NISA と課税口座を併用する場合は、この点を理解したうえで使い分けることが重要です。

iDeCo の節税効果の解説書 も参考にしてください。