定額取崩しの仕組みとリスク
定額取崩しは、毎月 (または毎年) 一定額を引き出す方法です。たとえば 3,000 万円の資産から毎月 15 万円を取り崩す場合、運用しなければ約 16 年 8 ヶ月で資産が尽きます。年利 3% で運用しながら取り崩せば約 23 年持ちますが、市場が低迷する時期に定額を引き出し続けると、資産の減少が加速する「収益配列リスク」が生じます。
詳しくは 定率取崩しの解説書 も参考になります。
退職直後に大きな暴落が起きた場合、定額取崩しでは資産が急速に目減りし、回復が困難になります。たとえば 3,000 万円の資産が初年度に 30% 下落して 2,100 万円になった状態で年間 180 万円を引き出すと、残りは 1,920 万円です。その後市場が回復しても、元の 3,000 万円に戻るには相当な時間がかかります。
定率取崩しで資産寿命を延ばす
定率取崩しは、資産残高の一定割合 (たとえば年 4%) を毎年引き出す方法です。資産が増えれば引き出し額も増え、減れば引き出し額も減るため、資産の枯渇リスクを大幅に低減できます。理論上、定率取崩しでは資産がゼロになることはありません (引き出し額が限りなく小さくなるため)。
有名な「4% ルール」は、退職時の資産の 4% を初年度に引き出し、以降はインフレ率に応じて引き出し額を調整する方法です。米国の過去データに基づくと、この方法で 30 年間資産が持つ確率は 95% 以上とされています。ただし日本の低金利環境では 3〜3.5% 程度に引き下げるのが安全です。
柔軟な取崩し戦略の実践
実際には定額と定率の折衷案が現実的です。基本生活費は年金と預貯金でカバーし、投資資産からの取崩しは余裕資金として定率法で引き出す方法が安定します。市場が好調な年は多めに引き出してゆとりある生活を楽しみ、低迷期は引き出しを最小限に抑えて資産の回復を待ちます。
当サイトのシミュレーターでは、取崩し期間・取崩し額・運用利率を入力して資産の推移をグラフで確認できます。さまざまなシナリオを試して、自分に合った取崩し戦略を見つけてください。
老後の引き出し戦略書 も参考にしてください。