アンカリング効果とは
アンカリング効果は、カーネマンとトヴェルスキーが実証した認知バイアスで、最初に接した数値 (アンカー) がその後の判断に不合理な影響を与える現象です。投資では、株の購入価格が強力なアンカーとなります。1,000円で買った株が800円に下落したとき、「1,000円に戻るまで売らない」と考えるのはアンカリングの典型です。現在の株価が割安か割高かは、あなたの購入価格とは無関係です。
投資判断を歪める具体例
52週高値もアンカーとして機能します。「以前は2,000円だったから、今の1,500円は割安」という判断は、2,000円という過去の価格に引きずられています。企業のファンダメンタルズが悪化していれば、1,500円でも割高かもしれません。IPO 価格、アナリストの目標株価、過去の最高値なども、投資家の判断を歪めるアンカーになります。
アンカリングを克服する方法
最も効果的な対策は、投資判断を「絶対的な価値評価」に基づいて行うことです。PER、PBR、配当利回り、フリーキャッシュフロー利回りなどの指標で企業の本質的価値を算出し、過去の株価ではなく現在の価値と比較します。「この株を今日初めて見たとして、この価格で買うか」と自問する習慣も有効です。ポートフォリオの評価画面から取得単価の表示を消すという物理的な対策を取る投資家もいます。 認知バイアスと投資の関係は行動経済学の良書で深く学べます