なぜキャッシュフローが重要なのか

会計上の利益は経営者の裁量で操作できますが、キャッシュフロー (実際の現金の出入り) は操作が極めて困難です。減価償却方法の変更、引当金の取り崩し、収益認識のタイミング調整などで利益は「作れ」ますが、銀行口座の残高は嘘をつきません。エンロンやワールドコムなどの会計不正事件では、利益は好調に見えていたのにキャッシュフローは悪化していました。

フリーキャッシュフローの見方

投資判断で最も重要なのはフリーキャッシュフロー (FCF) = 営業キャッシュフロー - 設備投資です。FCF は企業が事業を維持した上で自由に使える現金であり、配当、自社株買い、借入返済、新規投資の原資になります。FCF が安定的にプラスで成長している企業は、利益の質が高く、株主還元の持続性も高いと判断できます。

キャッシュフロー投資の実践

スクリーニングの第一段階として、FCF 利回り (FCF ÷ 時価総額) が5%以上の企業を抽出します。次に、過去5年間の FCF が安定的にプラスであることを確認します。FCF が利益を大幅に下回っている企業は、利益の質に疑問があります。逆に、FCF が利益を上回っている企業は、保守的な会計処理をしている可能性が高く、投資対象として魅力的です。