財務レバレッジとは
財務レバレッジは、企業が借入金 (負債) を活用して自己資本利益率 (ROE) を高める仕組みです。デュポン分析では ROE = 利益率 × 資産回転率 × 財務レバレッジ (総資産 ÷ 自己資本) に分解されます。自己資本 100 億円の企業が 100 億円借り入れて総資産 200 億円で事業を行えば、財務レバレッジは 2 倍です。事業の利益率が借入金利を上回る限り、レバレッジは ROE を押し上げます。
レバレッジの両刃の剣
総資産利益率 (ROA) が 5%で借入金利が 3%の場合、差額の 2%が自己資本のリターンに上乗せされます。レバレッジ 2 倍なら ROE は 7% (5% + 2%) に向上します。しかし、ROA が借入金利を下回ると、レバレッジは逆に ROE を悪化させます。景気後退で ROA が 2%に低下すると、借入金利 3%との差額-1%がレバレッジ分だけ増幅され、ROE は 1%に急落します。
投資家が見るべきポイント
ROE が高い企業を見つけたら、デュポン分析でその源泉を確認しましょう。利益率の高さや資産効率の良さで ROE が高い企業は健全ですが、財務レバレッジだけで ROE を嵩上げしている企業は、景気悪化時に脆弱です。自己資本比率が 30%以下 (レバレッジ 3.3 倍以上) の企業は、業績悪化時に債務超過に陥るリスクが高まります。ROE の「質」を見極めることが、財務分析の核心です。