ライフスタイルインフレとは

ライフスタイルインフレ (Lifestyle Inflation、別名 Lifestyle Creep) は、収入が増えるたびに支出も同じペースで増加し、結果として貯蓄率が向上しない現象です。年収400万円のときに月2万円貯蓄していた人が、年収600万円になっても月2万円しか貯蓄できないケースは珍しくありません。昇給分が広い部屋、新しい車、外食の増加に吸収されてしまうのです。

なぜ危険なのか

ライフスタイルインフレの本当の怖さは、一度上げた生活水準を下げることが心理的に極めて困難な点にあります。行動経済学の「損失回避」と同じメカニズムで、慣れた快適さを手放すことは、同じ快適さを得ることの2倍以上の苦痛を伴います。さらに、高い生活水準を維持するために必要な退職後の資産も膨らみます。月30万円の生活費なら退職資産は9,000万円必要ですが、月20万円なら6,000万円で済みます。

対策: 昇給の50%ルール

効果的な対策は「昇給の50%ルール」です。手取りが増えた分の50%を自動的に貯蓄・投資に回し、残り50%だけを生活水準の向上に使います。月収が5万円増えたら、2.5万円を積立投資に追加し、2.5万円を自由に使います。生活の質も向上しつつ、貯蓄率も確実に改善する仕組みです。自動振替を設定して「見えないお金」にすることで、意志力に頼らず実行できます。