平均への回帰とは
平均への回帰 (Regression to the Mean) は、統計学者フランシス・ゴルトンが19世紀に発見した現象で、極端な観測値の次の観測値は平均に近づく傾向があるというものです。投資の世界では、ある年に突出した成績を上げたファンドマネージャーが、翌年以降は平凡な成績に戻ることが多いという形で現れます。S&P ダウ・ジョーンズの調査では、上位25%に入ったファンドが翌年も上位25%に留まる確率はわずか25-30%です。
なぜ回帰が起きるのか
極端な成績には、実力と運の両方が寄与しています。ある年に市場を大幅に上回ったファンドは、銘柄選択の実力に加えて、たまたまその年の市場環境に合ったスタイルだった「運」の要素が大きい場合があります。翌年は運の要素がリセットされるため、成績は実力相応の水準に回帰します。これは「ホットハンドの誤謬」とも関連し、短期的な好成績を実力と誤認する人間の認知バイアスを浮き彫りにします。
投資判断への応用
平均への回帰を理解すると、「過去の成績が良いファンドを選ぶ」という一般的な投資行動の危うさが分かります。直近3年のリターンランキングでファンドを選ぶことは、すでにピークを過ぎた可能性のあるファンドに投資することを意味します。逆に、一時的に不調なファンドが回復する可能性もあります。この現象は、低コストのインデックスファンドが長期的にアクティブファンドの大半を上回る理由の一つでもあります。