なぜ「消えたファンド」が重要なのか
投資信託のデータベースには、現在運用中のファンドしか含まれていないことが多いです。成績不振で償還 (清算) されたファンドや、他のファンドに吸収合併されたファンドはデータから消えます。残ったファンドは相対的に成績が良いものばかりなので、業界全体の平均リターンが実態より高く見えます。この歪みが生存者バイアスです。
バイアスの大きさ
学術研究では、生存者バイアスがファンドの平均リターンを年0.5-1.5%押し上げていると推定されています。10年間で見ると、米国の株式ファンドの約40%が消滅しています。これらの消滅ファンドの大半は成績不振が原因です。生存者バイアスを含むデータで「アクティブファンドの平均リターン」を計算すると、実際よりも良い数字が出るため、アクティブ運用の実力を過大評価してしまいます。
正確な分析のために
投資判断に使うデータは、可能な限り生存者バイアスフリー (Survivorship-Bias-Free) のものを選ぶべきです。CRSP (シカゴ大学証券価格研究センター) や Morningstar の一部データベースは、消滅ファンドを含む完全なデータを提供しています。ファンド会社のマーケティング資料は生存者バイアスを含む傾向があるため、独立した第三者のデータで検証する習慣が重要です。