資産格差の現状

世界的に資産格差は拡大傾向にあります。日本でも、金融資産を持たない世帯が全体の約3割を占める一方、上位10%の世帯が金融資産全体の半分以上を保有しています。この格差は「r > g」(資本収益率が経済成長率を上回る) というトマ・ピケティの指摘に象徴されるように、資産を持つ者がさらに富み、持たない者との差が開く構造的な問題です。

複利が格差を加速させる

資産格差の拡大には複利のメカニズムが深く関わっています。1,000万円を年利5%で運用すると30年後に約4,320万円になりますが、100万円では432万円にしかなりません。差額は元の900万円から3,888万円に拡大します。さらに、富裕層はリスクの高い (しかし期待リターンも高い) 投資にアクセスでき、税理士やファイナンシャルアドバイザーの助言で税効率も最適化できます。スタートラインの差が、時間とともに指数関数的に拡大するのです。

個人ができること

構造的な格差を個人の努力だけで解消することは困難ですが、複利の力を味方につけることは誰にでもできます。月1万円でも早く始めることが重要です。NISAiDeCo などの非課税制度は、資産形成の格差を縮小するために設計された政策ツールです。金融リテラシーの向上も格差縮小の鍵です。「投資は金持ちのもの」という思い込みを捨て、少額からでも市場に参加することが、格差の拡大側ではなく縮小側に立つ第一歩です。