バーベル戦略とは
バーベル戦略は、ナシーム・ニコラス・タレブが著書『ブラック・スワン』で広めた投資アプローチです。バーベル (ダンベル) の両端に重りがあるように、ポートフォリオの大部分 (80-90%) を国債や現金などの超安全資産に配分し、残り (10-20%) を高リスク・高リターンの投機的資産に振り向けます。中間リスクの資産 (投資適格社債、バランスファンドなど) は意図的に排除します。
なぜ中間を排除するのか
タレブの論理は、中間リスクの資産は「リスクが低いように見えて、実は尾部リスク (テールリスク) を隠している」というものです。投資適格社債は平時には安定していますが、金融危機時には株式と同様に暴落します。バーベル戦略では、安全資産が最悪のシナリオでも資産の大部分を守り、高リスク部分が大きく上昇すれば全体のリターンを押し上げます。最大損失は高リスク部分の全損 (ポートフォリオの10-20%) に限定されます。
実践上の注意点
バーベル戦略は万人向けではありません。高リスク部分が長期間マイナスになる忍耐力が必要です。また、安全資産の利回りが極端に低い環境 (ゼロ金利政策下) では、ポートフォリオの大部分がほぼ無収益になります。個人投資家が実践する場合、安全資産を短期国債や個人向け国債、高リスク部分を新興国株式やスタートアップ投資に配分するのが一つの形です。伝統的な60/40ポートフォリオとは根本的に異なる思想であることを理解した上で採用すべきです。