CAGRが隠すもの

年平均成長率 (CAGR) は、投資の開始時点と終了時点だけから算出される「滑らかな」成長率です。100万円が10年後に200万円になれば CAGR は約7.2%ですが、途中で50%暴落して回復した場合も、一直線に成長した場合も、同じ7.2%と表示されます。CAGR は途中経過の変動 (ボラティリティ) を完全に隠してしまうのです。

同じCAGRでも投資体験は全く異なる

ファンドAは毎年安定して7%のリターン、ファンドBは+30%と-10%を交互に繰り返し CAGR は約8.2%。数字上はBが優秀ですが、Bに投資した人は毎年の乱高下に耐えなければなりません。さらに、Bに途中で追加投資や取り崩しをすると、タイミングによって実際のリターンは CAGR と大きく乖離します。CAGR は「買って放置した場合」のリターンであり、現実の投資体験を反映しません。

CAGRと併せて見るべき指標

CAGR を評価する際は、必ず最大ドローダウン (最高値からの最大下落率) と標準偏差 (リターンのばらつき) を併せて確認すべきです。CAGR 8%・最大ドローダウン-15%のファンドと、CAGR 10%・最大ドローダウン-50%のファンドでは、前者のほうが多くの投資家にとって適切です。シャープレシオ (リスク調整後リターン) も、CAGR だけでは見えないリスク効率を可視化する有用な指標です。