ドルスマイル理論とは
ドルスマイル理論は、モルガン・スタンレーのストラテジスト、スティーブン・ジェンが2001年に提唱した為替理論です。米ドルの強さを縦軸、経済状況を横軸にプロットすると、笑顔 (スマイル) の形になります。左端 (世界的な危機) ではドルが安全資産として買われて強くなり、右端 (米国経済の独り勝ち) では高金利と成長期待でドルが強くなります。中間 (平穏な成長期) では、投資家がリスクを取って新興国などに資金を移すため、ドルは弱くなります。
3つの局面
局面1 (危機): リーマンショックやコロナショックのような世界的危機では、投資家が安全資産に殺到し、ドルと米国債が急騰します。局面2 (平穏): 世界経済が安定成長しているとき、投資家はより高いリターンを求めて新興国やコモディティに資金を移し、ドルは下落します。局面3 (米国優位): 米国経済が他国より好調で金利が高いとき、資金が米国に流入してドルが上昇します。
投資判断への活用
ドルスマイル理論は、為替の方向性を大まかに予測するフレームワークとして有用です。世界経済が安定成長に向かう局面では、ドル安・新興国通貨高が予想されるため、新興国資産への配分を増やす判断材料になります。逆に、危機の兆候が見えたらドル建て資産の比率を高めることが防御策になります。ただし、為替予測は極めて困難であり、この理論も絶対的なものではありません。