特定口座の仕組み
特定口座は、2003 年に導入された日本の証券税制上の口座区分です。証券会社が 1 年間の売買による譲渡損益を自動計算し、「年間取引報告書」を作成します。投資家は自分で複雑な損益計算をする必要がなく、確定申告の手間が大幅に軽減されます。日本の個人投資家の大多数がこの口座を利用しています。
源泉徴収あり・なしの違い
特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の 2 種類があります。源泉徴収ありを選択すると、株式の売却益が出るたびに証券会社が 20.315% (所得税 15.315% + 住民税 5%) を自動的に天引きし、納税を代行します。年末に損益が通算され、払いすぎた税金は口座内で自動還付されます。原則として確定申告は不要です。
源泉徴収なしの場合、証券会社は年間取引報告書を作成しますが、納税は投資家自身が確定申告で行います。年間の譲渡益が 20 万円以下の給与所得者は確定申告が不要 (住民税の申告は必要) というメリットがありますが、20 万円を超えると申告の手間が発生します。
一般口座・NISA 口座との比較
一般口座では、投資家自身が取得価額や譲渡損益を計算し、確定申告を行う必要があります。過去の取引記録を自分で管理しなければならず、実務上の負担が大きいため、特別な理由がない限り特定口座を選ぶのが合理的です。NISA 口座は売却益・配当金が非課税ですが、年間投資枠に上限があり、損失が出ても損益通算できません。特定口座と NISA 口座を併用し、非課税枠を使い切った分を特定口座で運用するのが一般的な戦略です。 株式投資の入門書で口座選びを学べます
確定申告した方が有利なケース
源泉徴収ありの特定口座でも、確定申告した方が有利な場合があります。複数の証券会社間で損益通算する場合、配当所得と譲渡損失を通算する場合、譲渡損失を翌年以降に繰り越す場合です。ただし、確定申告すると合計所得金額に算入されるため、配偶者控除や国民健康保険料に影響する可能性があります。特に退職後や扶養に入っている場合は、申告による影響を事前に試算してください。