ガチャの 1% は「毎回リセット」される
ソシャゲのガチャで SSR の排出確率が 1% だとします。「100 回引けば 1 回は出るでしょ」と思いがちですが、実はそうとは限りません。1 回引いて外れる確率は 99%。2 回連続で外れる確率は 99% × 99% = 98.01%。100 回連続で外れる確率は 0.99^100 ≒ 36.6%。つまり、100 回引いても約 37% の人は 1 回も当たりません。
ガチャの確率は「毎回独立」です。前回外れたからといって、次に当たりやすくなるわけではありません。サイコロを振って 1 が出なかったからといって、次に 1 が出やすくなるわけではないのと同じです。これを「独立試行」と言います。過去の結果が未来に影響しない。
複利の 1% は「積み重なる」
一方、投資の年利 1% は全く違う性質を持っています。100 万円を年利 1% で運用すると、1 年後は 101 万円。2 年後は 101 万円 × 1.01 = 102.01 万円。前の年の結果が次の年の「土台」になります。ガチャと違って、過去の成果が未来に影響する。これが複利です。
年利 1% は小さく見えますが、30 年続けると 100 万円が約 134.8 万円になります。年利 5% なら約 432 万円、年利 7% なら約 761 万円。「積み重なる 1%」と「リセットされる 1%」では、長期的な結果が全く異なります。
ガチャに使うお金を複利で計算してみる
毎月 3,000 円をガチャに課金しているとします。年間 36,000 円。これを 10 年続けると 36 万円。ガチャで手に入れたアイテムは、サービス終了とともに消えます。価値はゼロです。
同じ月 3,000 円を年利 5% で 10 年間積み立てると、約 46.5 万円になります。元本 36 万円に対して約 10.5 万円の利益。しかもこのお金は消えません。さらに 20 年続ければ約 123 万円、30 年なら約 250 万円です。ガチャの SSR は 1 年後に価値がなくなりますが、投資の利益は 30 年後も増え続けています。 確率と統計の入門書を読むと、数字の裏にある仕組みがもっと見えるようになります。
数字の「意味」を読み取る力
ガチャの 1% と複利の 1%。同じ「1%」という数字でも、片方は「毎回リセットされる確率」、もう片方は「積み重なる成長率」です。世の中には数字があふれていますが、その数字が「どういう性質の数字なのか」を考える習慣をつけると、騙されにくくなります。「年利 20% 保証」という投資話が来たら、「本当に毎年 20% 積み重なるのか?」と疑える。「当選確率 50%」と書いてあったら、「何回やっても 50% なのか、累積で 50% なのか」を確認できる。数字の意味を読み取る力は、お金を守る最強の武器です。