10 円で買えたチロルチョコ
チロルチョコが誕生した 1962 年、価格は 10 円でした。子どものお小遣いで気軽に買える、まさに「駄菓子」の代表格です。それが 2024 年現在、コンビニで買うと 1 個 40 円前後。スーパーの袋入りでも 1 個あたり 20〜30 円です。62 年間で 4 倍になりました。
この値上がりを複利の式で計算すると、40 = 10 × (1 + r)^62 なので、r = (4)^(1/62) - 1 ≒ 0.0227。年率約 2.3% です。毎年 2.3% ずつ値上がりし続けた結果、62 年で 4 倍。缶コーヒー (年率約 1.4%) より高いペースです。チロルチョコは原材料のカカオ豆の価格高騰の影響を直接受けるため、一般的な物価上昇率より高めになっています。
他のお菓子も軒並み値上がり
チロルチョコだけではありません。うまい棒は 1979 年の発売以来ずっと 10 円を維持していましたが、2022 年にとうとう 12 円に値上げされました。43 年間で 20% の値上がり (年率約 0.4%)。ガリガリ君は 1981 年の 50 円から 2024 年の 80 円へ、43 年で 60% の値上がり (年率約 1.1%)。ポテトチップスは内容量が減る「ステルス値上げ」で実質的に値上がりしています。
お菓子の値段は、インフレを最も身近に感じられる指標です。子どもの頃に 100 円で買えたお菓子の組み合わせが、今は 100 円では買えない。この「買えなくなった分」が、インフレによって貯金の実質価値が削られた分と同じです。こだわりのチョコレートを食べながら、お菓子の値段の変遷に思いを馳せてみてください。
62 年前の 10 円を投資していたら
1962 年にチロルチョコを 1 個我慢して、10 円を年利 7% で 62 年間運用していたら、10 × (1.07)^62 ≒ 約 670 円。チロルチョコ 16 個分です。10 円の我慢が 62 年後に 16 個分のチロルチョコになる。もちろん 10 円の投資は現実的ではありませんが、「インフレ率 (2.3%) を上回る利回り (7%) で運用すれば、購買力は増える」という原則を、お菓子 1 個で実感できます。次にコンビニでチロルチョコを見かけたら、「これは 62 年前の 4 倍の値段」と思い出してください。