含み損益とは

含み損益は、保有している資産の現在の時価と購入時の取得価格の差額です。時価が取得価格を上回っていれば含み益、下回っていれば含み損です。売却して初めて「実現損益」となり、課税対象になります。含み損益はあくまで帳簿上の数字であり、売却するまでは確定しません。

含み損益が投資判断を歪める

行動経済学の研究では、投資家は含み益のある銘柄を早く売って利益を確定させたがり (利食い急ぎ)、含み損のある銘柄はいつまでも保有して損失の確定を先送りする傾向があります。これを「ディスポジション効果」と呼びます。合理的には、将来の見通しに基づいて売買を判断すべきであり、取得価格は意思決定に無関係なサンクコストです。しかし人間の心理は「損を認めたくない」という感情に強く支配されます。

含み損益との正しい向き合い方

含み損益に振り回されないためには、「今この銘柄を持っていなかったとして、現在の価格で買うか」と自問する習慣が有効です。答えが「買わない」なら、含み損であっても売却して資金をより有望な投資先に振り向けるべきです。逆に含み益があっても、成長が続く見込みなら保有を継続します。税務上は、含み損を年末に実現させて他の利益と相殺する「損出し」も有効な戦略です。