毎月 1% は「たった 600g」だけど

体重 60 kg の人が毎月 1% ずつ太るとします。最初の 1 か月で増えるのは 600g。飲み会の翌日に増える程度の誤差です。「たった 600g なら大丈夫」と思いますよね。でも、この「たった 1%」が複利のように積み重なると、とんでもないことになります。

1 年後 (12 か月): 60 × (1.01)^12 ≒ 67.6 kg。7.6 kg 増。「ちょっと太ったね」と言われるレベルです。3 年後 (36 か月): 60 × (1.01)^36 ≒ 85.8 kg。25.8 kg 増。完全に別人です。5 年後 (60 か月): 60 × (1.01)^60 ≒ 108.5 kg。体重が倍近くになっています。10 年後 (120 か月): 60 × (1.01)^120 ≒ 196.3 kg。もはや現実的ではない数字ですが、「毎月 1%」の複利効果がいかに強力かが分かります。

逆に毎月 1% 減らすと?

複利は味方にもなります。80 kg の人が毎月 1% ずつ体重を減らすと、1 か月目は 800g 減。3 か月で 80 × (0.99)^3 ≒ 77.6 kg。半年で 75.3 kg。1 年で 70.8 kg。無理のないペースで、1 年で約 9 kg の減量です。毎月 1% は、80 kg なら最初は 800g、70 kg になったら 700g と、体重が減るにつれて減量幅も小さくなります。これが「複利的な減量」の良いところで、体への負担が自然に軽くなっていきます。

ダイエットの世界では「月に体重の 1〜2% の減量が健康的」と言われています。これは偶然にも、複利計算で無理なく成果が出るペースと一致しています。科学的なダイエット本を読むと、この「月 1%」を実現する具体的な食事・運動法が学べます。

お金も体重も「小さな習慣」が結果を決める

投資で毎月 1% の利回りを得ると、年利約 12.7% (複利) になります。体重で毎月 1% 増えると、年間約 12.7% の増加。数学的にはまったく同じ構造です。お金の世界では「毎月コツコツ積み立てる」ことが推奨されますが、体重の世界では「毎月コツコツ増える」ことを防がなければなりません。どちらも、日々の小さな習慣が複利的に積み重なって大きな結果を生みます。今日の夕食を少し控えめにすることは、今日 1,000 円を投資することと同じくらい、将来の自分への贈り物です。