教育費の総額はいくらかかるのか

文部科学省の「子供の学習費調査」(2023 年度調査) によると、幼稚園 3 歳から高校 3 年までの 15 年間の学習費総額は、すべて公立で約 614 万円、すべて私立で約 1,969 万円です。これに大学の費用を加えると、全て公立・国立で約 860 万円、全て私立で約 2,370 万円が子ども 1 人あたりの教育費の目安となります。

特に大学の費用は大きな割合を占めます。国立大学の 4 年間の学費は約 243 万円です (文部科学省令が定める標準額で計算した場合。入学料 28.2 万円 + 授業料 53.6 万円 × 4 年・2026 年時点。各大学は標準額の 1.2 倍まで独自に設定できます)。私立大学は分野による差が大きく、文系は約 400 万円、理系は約 550 万円、医歯系は 2,000 万円を超えることもあります。自宅外通学の場合は、さらに仕送りとして年間 100 万円前後が加わります。

教育資金の準備方法を比較する

教育資金の準備方法には主に 3 つの選択肢があります。それぞれの特徴を理解し、組み合わせて活用することが効果的です。

  • 学資保険: 返戻率は商品や契約条件によって異なり、大きく増えるものではありません。契約者 (親) に万一のことがあった場合に保険料の払込が免除される保障機能がある一方、中途解約では払い込んだ保険料を下回ることがあります。値動きの幅を抑えて教育資金を積み立てたい場合の選択肢です。
  • NISA (つみたて投資枠): 運用益を非課税で受け取れます。ただし元本保証がなく、想定した利回りが得られるとは限らないため、使う時期が近づいたら安全資産に移す出口戦略が重要です。10 年以上の運用期間を確保できる場合に検討しやすい方法です。
  • 預貯金: 元本保証があり確実ですが、金利は低いため資産はほとんど増えません。短期 (5 年以内) で必要な資金や、生活防衛資金として一定額を確保する用途に適しています。

児童手当を活用した積立計画

児童手当は子どもの年齢や出生順によって支給額が決まり、対象となる年齢や金額は制度改正で変わります (最新の要件は住んでいる自治体の案内で確認してください)。ここでは月 1 万円として概算すると、児童手当をすべて貯蓄に回した場合、18 年間で約 216 万円 (月 1 万円 × 12 ヶ月 × 18 年) を確保できます。これだけで国立大学 4 年間の学費の大部分を賄える水準です。

児童手当を NISA で運用した場合のシミュレーションも見てみましょう。月 1 万円を年利 5% で 18 年間積み立てると、最終額は約 349 万円になります。元金 216 万円に対して約 133 万円の運用益が加わり、私立大学文系の学費の大部分を賄える水準に近づきます。ただしこれは年利 5% が 18 年間続いた場合の試算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。

教育資金の積立シミュレーション

大学入学時に 500 万円を準備する場合、子どもが 0 歳から積み立てを始めると 18 年間の猶予があります。預貯金のみなら月約 2.3 万円、年利 3% の運用なら月約 1.8 万円、年利 5% の運用なら月約 1.4 万円の積立で達成可能です。早く始めるほど月々の負担は軽くなり、複利効果も大きくなります。

教育資金は使う時期が明確に決まっている点が老後資金と異なります。大学入学の 2〜3 年前からはリスク資産の比率を下げ、預貯金や個人向け国債など安全資産に移していく「グライドパス戦略」を取り入れることで、相場下落時のリスクを軽減できます。当サイトのシミュレーターで、目標額と積立期間に応じた毎月の積立額を計算してみてください。