チェス盤と米粒の伝説

インドの王様がチェスの発明者に褒美を与えようとしたところ、発明者はこう言いました。「チェス盤の最初のマスに米粒を 1 粒、次のマスに 2 粒、その次に 4 粒と、マスごとに倍にして 64 マス分の米をください」。王様は「たったそれだけか」と笑いましたが、計算してみると途方もない量になりました。

1 マス目: 1 粒。2 マス目: 2 粒。3 マス目: 4 粒。10 マス目: 512 粒。20 マス目: 約 52 万粒。30 マス目: 約 5.4 億粒。40 マス目: 約 5,500 億粒。64 マス目: 約 922 京粒 (9.22 × 10^18)。全マスの合計は約 1,845 京粒。これは地球上で 1 年間に生産される米の約 1,000 年分に相当します。

なぜ後半で爆発するのか

前半の 32 マスの合計は約 43 億粒。後半の 32 マスの合計は約 1,845 京粒。後半は前半の約 43 億倍です。同じ「倍にする」というルールなのに、前半と後半でこれほど差がつく。これが指数関数の本質です。「倍にする」回数が増えるほど、1 回あたりの増加量が桁違いに大きくなります。

複利も同じ「倍々ゲーム」

チェス盤の米粒は毎回 100% 増 (2 倍) ですが、複利は毎年数% 増です。スピードは違いますが、構造は同じです。年利 7% なら約 10 年で 2 倍。つまり 10 年ごとに「マスが 1 つ進む」イメージです。20 年で 4 倍、30 年で 8 倍、40 年で 16 倍。チェス盤の前半は地味ですが、後半で爆発する。投資も最初の 10〜20 年は地味ですが、30〜40 年目に爆発的に増えます。 数学パズルの本には、こうした直感を裏切る数学の話が満載です。

「地味な前半」を耐えられるかが勝負

チェス盤の伝説で最も大事な教訓は、「前半は退屈に見える」ということです。最初の 10 マスで合計 1,023 粒。「たった 1,000 粒か」と思うでしょう。でもこの 1,000 粒がなければ、64 マス目の 922 京粒は存在しません。投資も同じです。最初の 10 年で 100 万円が 200 万円になっても「たった 100 万円増えただけ」と感じます。でもこの 200 万円が土台となって、30 年後に 800 万円、40 年後に 1,600 万円になる。地味な前半を耐えた人だけが、後半の爆発を手にできます。