景気循環の定義と 4 つの局面

景気循環 (business cycle) とは、経済活動が拡大 (好況) と収縮 (不況) を交互に繰り返す周期的な変動パターンを指します。ここでは、回復期、拡大期 (好況期)、後退期、収縮期 (不況期) の 4 つの局面に分けます。各局面では経済指標、企業業績、金融政策が異なるパターンを示します。

全米経済研究所 (NBER) の景気基準日付では、米国の 1945〜2020 年の平均の長さは拡大期が約 64 カ月 (約 5 年 4 カ月)、後退期が約 10 カ月です。1945 年以降の最長の拡大期は 2009-2020 年の約 128 カ月 (約 10 年 8 カ月) で、最短の後退期は 2020 年のコロナリセッションの 2 カ月でした。日本では内閣府が戦後の景気基準日付を第 16 循環 (2020 年 5 月の谷) まで設定しています。

各局面の特徴とセクターローテーション

回復期 (景気の谷から上昇に転じる局面) では、金融緩和の効果が浸透し始め、消費者心理が改善します。拡大期 (好況のピークに向かう局面) では、企業業績が好調で設備投資が活発化します。セクターローテーションの考え方では、回復期に金融株、一般消費財、不動産を、拡大期にテクノロジー株や資本財を当てはめます。

後退期 (景気のピークから下降に転じる局面) では、金融引き締めの影響が顕在化し、企業業績が悪化し始めます。同じ考え方では、後退期にエネルギー株や素材株を、収縮期 (不況の底に向かう局面) にディフェンシブセクター (生活必需品、ヘルスケア、公益事業) と債券を当てはめます。

よくある誤解と実務的な活用法

景気循環に関するよくある誤解は「景気循環は規則的に繰り返される」という思い込みです。実際には、各サイクルの長さや深さは異なり (内閣府の日付では第 2〜16 循環の拡張期は 22〜73 カ月)、過去のパターンが将来も同じように繰り返される保証はありません。

景気循環の現在地を見る材料には先行指標があり、米国では ISM 製造業景況指数、新規失業保険申請件数、イールドカーブ (長短金利差) がその例です。