年俸 1 億円の手取りは約 5,500 万円

プロ野球選手が「年俸 1 億円」と報道されると、すごい金額に聞こえます。でも、実際の手取りは大きく減ります。所得税の最高税率 45%、住民税 10%、さらに復興特別所得税を合わせると、税率は約 55% に達します。1 億円 × (1 - 0.55) = 約 4,500 万円。ここから社会保険料や代理人への手数料を引くと、手取りは約 5,500 万円前後です (経費控除により実効税率はやや下がります)。

それでも年間 5,500 万円は大金です。問題は、プロ野球選手の現役生活が平均 9 年と短いこと。年俸 1 億円クラスの選手でも、現役が 15 年続けば長いほうです。15 年間の手取り総額は約 8.25 億円。引退後の人生が 40 年以上あることを考えると、この 8.25 億円をどう扱うかで人生が決まります。

パターン A: 毎年 3,000 万円を複利で運用

手取り 5,500 万円のうち 3,000 万円を年利 5% で運用し、残り 2,500 万円で生活するとします。15 年間の積立で、運用資産は約 6.5 億円に成長します。元本 4.5 億円に対して運用益は約 2 億円。引退後、この 6.5 億円を年利 4% で運用しながら毎年 2,000 万円を取り崩しても、資産は減るどころか増え続けます。利息だけで年間 2,600 万円あるからです。一生お金に困ることはありません。

パターン B: 全額使い切る生活

一方、手取り 5,500 万円を毎年使い切る生活をしたらどうなるか。高級車、高級時計、夜の街、後輩への奢り。現役中は華やかですが、引退した瞬間に収入はゼロになります。15 年間で貯金ゼロ。引退後に年収 500 万円の仕事に就けたとしても、現役時代の生活水準 (年間 5,500 万円) との落差に苦しみます。プロ野球選手のマネー事情の本を読むと、引退後に成功した選手と失敗した選手の違いが具体的に分かります。

私たちへの教訓 - 「稼ぐ期間」は有限

プロ野球選手の話は極端に見えますが、構造はサラリーマンと同じです。私たちの「現役生活」も 22 歳から 65 歳までの約 43 年間。その後の人生が 20〜30 年あります。稼ぐ期間は有限で、引退後の人生は長い。現役中に複利の仕組みを作っておくかどうかで、引退後の生活が決まります。年俸 1 億円の選手も、年収 400 万円の会社員も、複利の前では条件は同じ。「稼いだお金の一部を、時間を味方につけて増やす」。それだけです。